アメリカでの出産にまつわる議論

アメリカに来ている日本人でアメリカで出産することを積極的に選択する人もいます。

 

その理由の多くが、子どもにアメリカ国籍取得させたいからです。他には特に働いている女性で多いと思いますが、日本よりも仕事と出産が両立しやすいからでしょうか(日本はなんて冷たい社会なんだと思いますが・・・・)。

 

 

 

一方で、アメリカので出産を嫌がる人もいます(我が家はその典型例)。

 

「なんか嫌だ」という人が多いでしょうが、他の国から来ている人と話をして、日本人が嫌がっている理由を具体的に考えて議論を整理してみました。

 

 

 

1)言語の壁がある。

 

これは大きいでしょう。医療ではコミュニケーションは重要です。感じていることを伝えられないことはかなりのストレスですし、不安です。これが無いと言える純粋日本人は皆無ではないでしょうか。

 

 

 

2)アメリカは日本に比べると新生児死亡率が高い。

 

これは事実として存在します。

 

http://www.who.int/gho/publications/world_health_statistics/EN_WHS2013_Full.pdf

 

 1/1000(Japan@P.54), 4/1000(USA@P.58)。

 

USと比べてというか日本は世界で一番低いので、比較の問題ではありませんね。 

 

他の欧州と比べても日本は低いのです。恐るべしsamurai・・・。

 

日本の産科・小児科の先生方はじめ新生児医療にかかわる医療者の尋常ではない働きっぷり・連係プレイに感謝してもしきれません。 

 

 

 

USの高い数値は保険に入っていない人などが引き上げているという意見もありますが、言語で不利な日本人は、いわばマイノリティーで、安心はできないでしょう(まー安心という意味ではアメリカ人も安心できないか)。

 

 

 

3)家族の助けが無い。

 

アメリカの出産ではこれが得られにくいでしょう(出産後に自分の親に日本からアメリカに来てもらっている同僚もいますが)。やはり国を問わず、母親の助けは大きいようです。聞いた限りやはりどの国でも義理の母には助けてもらうのはあまり心地よくないという意見が多いようです。

 

 

 

・本日の格言:「娘は永遠に娘だけど、息子は結婚したら息子ではなくなる(妻の物になる)」

 

 

 

これはなるほどと思わず膝を叩きました。

 

 

 

まぁとにかく親の存在に感謝です。 

 

 

 

 

 

4)保険のカバー

 

日本で海外駐在用の健康保険を買ってくる人は出産がカバーされていないことが多いでしょう。

 

アメリカで雇用されている人や学生はカバーされているでしょう。

 

出産自体は自費でも300万円くらいと聞きました。

 

しかし費用の問題は出産そのものではないと思います、子どもです。

 

万が一何かトラブル(先天異常含む)があったときにいろんな意味で大変です。

 

NICUに入ったら恐らく破産するでしょう。NICUを何日でもすべてカバーする保険なんてあるのかな。あっても保険料がすごいことになりそう、そういうのをカバーしないと思われる「普通の」保険でさえ十分高額です(医師はじめ医療者の高額の給与はこのおかげですけど)。 日本の高額療養費制度に感謝してもしきれません。この制度を守りたいものです。

 

 

 

5)入院日数

 

日本は5日とか尋常じゃ無く長くさすがにもうちょっと短縮してもいい気がします(我が家が利用した病院は外出すら許してくれませんでした・・・・)が、さすがに1日で出ろというのは結構きついと思います。しかも帰宅してもヘルプの母親いないし・・。

 

 

 

 余談:

 

分娩の時に麻酔を使わないで痛みに耐えたり叫んだりするのは、いわゆる西洋の人々には、やはりかなり「奇妙」に思われるようです。

 

 

 

 

 

 

 

どうでしょう?

 

後は価値観の問題だと思いますが、個人的にはあまりアメリカでの出産は積極的には望みません・・・。